トリプルリスクとは
血圧・血糖・血中脂質は、どれか1つでも高くなると、残りの2つも高くなる「トリプルリスク」を誘発する可能性があります。1つだけ高くてもまだ大丈夫…と、安心していてはいけないのです。
実は、血圧・血糖・血中脂質の数字が高くなる根っこは、共通です。その共通の根っこは、「インスリンの働きが悪くなる」こと。
インスリンは血糖値を下げる働きがあります。この働きが悪くなると、それを補うために膵臓からインスリンがたくさん分泌されます。その結果、塩分排出に関わる腎臓の機能が低下して、血圧が上がったり、肝臓で中性脂肪の合成が盛んになり、血中脂質が増えてしまいます。
つまり、どれか1つの数値が高いということは、他の数値にも影響を与えるインスリンの効きが悪くなっている*状態の可能性があるのです。
*インスリン抵抗性
トリプルリスクを放置したままにしておくと、脳梗塞や心筋梗塞などの万が一の場合には死に至るような重篤な疾患に陥るリスクが高まります。
監修
岡部 正 先生
岡部クリニック院長(日本病態栄養学会評議員、日本糖尿病学会認定専門医・指導医、日本肥満学会会員)
1953年東京生まれ。1978年慶應義塾大学医学部卒業。カナダ、カルガリー大学留学。医学博士。亀田総合病院副院長を経て、1996年東京・銀座に岡部クリニックを設立。
1996年「脂肪体重を減らすヤセ方が正しい」(青春出版社)、1997年「かくれ肥満に目覚めよ」(青春出版社)を上梓。2005年6月、テレビで初めてメタボリックシンドロームを取り上げ、警鐘を鳴らす。「おもいッきりテレビ」「寿命をのばすワザ百科」「世界一受けたい授業」(日本テレビ系)、「主治医が見つかる診療所」(テレビ東京系)、TBS「ゲンキの時間」などに出演。